社会SOCIAL
基本的な考え方
ノーリツ鋼機グループが、No.1/Only1を創造し続け、社会に価値を提供し続けていくうえで、日々の業務にひたむきに取り組み、より良い社会の発展に貢献しようと努める従業員の存在こそ最大の原動力であり、業界・市場における競争優位性の源泉です。当社グループでは、マテリアリティの一つとして、「一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築」を掲げ、人的資本の最大化に取り組んでいます。
具体的な施策としては、「安全で健康な職場環境の整備」、「グループを牽引する未来志向で優秀な人材を育てるための環境整備」、「多様な価値観の尊重と柔軟な働き方の推進」の3つに整理し、KPIを設定して取り組みの進捗を可視化するとともに、課題認識を共有し、改善を図っています。こうした当社グループの人的資本マネジメントにおいて、持株会社であるノーリツ鋼機は、マテリアリティをベースとしたグループ共通の方針、計画及び施策を策定し、グループ各社への周知と実行支援、さらにはモニタリングを実行しています。グループ中核3社は個別に、自社の価値創造と中長期の成長戦略に寄与する人材を採用・育成し、人的基盤の拡充に努めています。
キャリアに関する価値観が多様化し、これまで以上に人材の流動化が進んでいます。また、高水準の技術を有する人材等、希少なスキルや経験を持つ人材の獲得競争も激化しています。このような社会構造下において、企業としての魅力や個々人が成長意欲を維持し続けられる人的資本マネジメントの実行がますます重要となってくることを認識し、スピード感を持ってマテリアリティに対応していきます。
人材の採用と育成
当社グループにとって、優秀な人材を確保し、その活躍を支援することは、最も重要な経営テーマの一つです。新卒・中途採用を問わず、高い意欲と自主性を持った人材を積極採用し、教育機会の適切な提供や公正な評価と処遇で、グループの持続的発展を担う人材の育成・輩出に努めています。
2024年は、年間研修受講時間の拡充とともに、研修メニューの充実化に取り組みました。
| 項目 | 単位 | テイボー | AlphaTheta | JLab | ノーリツ鋼機 | 全社 | 2024年 グループ目標 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人当たり研修時間(2024年) | 時間/年 | 18 | 16 | 7 | 71 | 16 | 22 |
また、グループ全体で目標化している上記研修時間のほかに、各事業会社においては、それぞれの事業に特化した技術や専門性の継承・向上を目的とした研修を行っています。
なお、パフォーマンスとキャリア開発につき定期的なレビューを受けている従業員の割合は、92.4%となっています。
職場づくり
当社グループのビジネスはグローバルに展開されています。グループが、No.1/Only1の事業を創出し続け、さらなる成長を目指すためには、ともに働く人材の属性(国籍、文化、信条等)の多様な在り方の理解が必須です。私たちは、Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包摂性)が、マテリアリティである「一人ひとりの多様な価値観を尊重し、すべての人材が未来志向で活躍できる職場基盤の構築」の推進と密接に関わる要素と捉え、積極的に取り組みを進めています。
多様で柔軟な働き方の推進
2023年は、「多様で柔軟な働き方の推進」の進捗を可視化するとともに、課題を特定すべく、2022年に引き続き、有給休暇取得率、テレワーク実施率、育児休業取得率等の7項目をモニタリング対象に設定しました。モニタリング結果から抽出した課題については、2024年にグループ全体で重点的に対応を進めていきます。
安全で健康な職場環境の整備
労働安全衛生
ノーリツ鋼機グループは、2025年1月に「ノーリツ鋼機グループ調達ガイドライン」を策定し、同ガイドラインにおいて、サプライチェーンにおける労働安全衛生の取り組みについての具体的な項目を定めています。AlphaTheta及びJLabの製造委託先を含めたお取引先には、同ガイドラインに賛同いただき、遵守への協力をお願いしています。今後は、調達ガイドラインをベースとしたSAQ(自己評価アンケート)の実施・分析を通じて、当社グループ事業のサプライチェーン上の労働安全衛生の取り組み状況を把握し、特定された課題の改善に向けた対応策の検討・実行を推進していきます。
また、自社の製造拠点を有するテイボーグループ*では、経営トップがコミットする労働安全衛生方針を定め、休業災害0件を年間目標として、従業員のみならず派遣・パートタイム従業員等を含むグループの施設で働くすべての人を対象とした労働安全衛生のための取り組みを推進しています。
推進体制としては、会社毎に安全衛生委員会を組成し、安全衛生管理規程・安全衛生委員会規程に基づいて、労働安全衛生を管理しています。各社の労働安全衛生委員会で報告・協議された内容は、テイボーホールディングスで毎月開催するグループ経営会議で共有され、安全衛生目標の進捗状況と併せて経営トップに報告されます。
各部署では、安全衛生推進者を中心に、週次での巡視活動や安全意識向上活動等に取り組んでいます。安全衛生推進者は安全衛生推進日誌に基づく点検を行い、その結果を安全衛生委員会へ報告します。安全衛生委員会は報告内容を精査したうえで、社内で共有するべき課題等をまとめ、その内容は安全衛生推進者を通じて現場にフィードバックされます。また、安全衛生基本ルールブックを策定し、すべてのグループ従業員や派遣・パートタイム従業員を対象とした入社時の安全衛生研修を実施しています。こうした取り組みを通じて、労働安全衛生に対する意識の醸成・向上に努めています。
さらにテイボーグループでは、各社の労働組合と、安全衛生施策の進捗状況や発生した問題やその是正状況等について、共有・振り返りのための労使話し合いを定期的(月1回以上)な安全衛生委員会を通じて行っています。
2024年度のテイボーグループにおける労働災害の発生状況は、2件の労働災害が発生し、労働災害度数率*1は1.45(製造業平均*21.30)、 労働災害強度率*3は0.01(製造業平均*20.06)となりました。すべての労働災害発生時には、速やかに事案の共有を全社に行い、安全衛生委員会の安全部会及び関係者によって現場検証と対策を協議し、再発防止に向けた設備改善、作業手順の見直し、教育等を図ります。さらに、その結果とモニタリングの状況をテイボーグループ代表取締役社長に報告します。2024年度に発生した2件の労働災害についても、上記プロセスを踏み、再発防止の徹底に努めています。
- *テイボーホールディングス、テイボー及びその子会社、浜松メタルワークスの総称
- *1 度数率:労働災害による死傷者数÷延べ実労働時間数×100万本表における労働災害は、業務遂行中に業務に起因して受けた業務上の災害で、業務遂行時以外の通勤災害や遅発性のもの等は除く休業1日以上及び身体の一部または機能を失う労働災害による死傷者数に限定(厚生労働省 労働災害動向調査に準拠)
- *2 製造業平均:事業所規模100人以上の国内製造業における各平均(R6厚生労働省 労働災害動向調査の概況より)
- *3 強度率:延べ労働損失日数÷延べ実労働時間数×1,000
健康経営
ノーリツ鋼機グループでは、グループ統一方針である「健康経営方針」の基で、従業員の健康 維持・増進と、安心して働くことができる安全で健全な職場環境づくりを推進しています。 ノーリツ鋼機では、2024年6月に「健康企業宣言」を行い、2025年3月には、健康づくりの取り組みを積極的に行っている企業として、「健康優良企業 銀の認定」を取得しました。